無情なる現実の上書き保存に抵抗する方法

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パソコンのファイルを保存するときの選択肢、「名前を付けて保存」と「上書き保存」。

当たり前のようにある機能だけど、「名前を付けて保存」はパソコン以外のシーンでも使いたくなる魅力的なものです。

現実は常に上書き保存され続けていき、プログラムの実行を止めてはくれないし、過去のファイルを復元することもできません。

上書き保存されて流れてしまう感動

雲ひとつないポカポカ陽気の日に、仕事で車を走らせているときのこと。

橋の上を通行中、太陽に照らされた海がキラキラと輝き、まるで天の川のようでした。

「もっと見たい」という願望が湧きましたが、自動車専用道路なので車を停めるわけにもいかず、ちら見することしかできませんでした。

このように心が動いたできごとであっても、残念ながらその感動は数分後にはきれいさっぱり消えてしまいます。

次に見たもの、考えたものによって上書きされてしまうからです。

上書き保存の無念さを強く実感するのが、子育て。

1歳の娘はかわいい盛りで、笑顔、時々話す覚えたての言葉、しかめっ面、歩き方、泣き顔、その行動ひとつひとつが愛くるしいです。

子供は毎日少しずつ成長していくため、今日のかわいい行動が明日は見られないかもしれません。1年後には確実に過去の思い出になっています。

もちろん、その年齢ごとの魅力はあるのですが、今目の前にいる娘、自分の感情をそのまま「名前を付けて保存」したいと思わされます

しかし、現実は上書き保存。

写真や文章で記録したところで、その瞬間のすべてを保存することはできず、感動のごく一部でしかありません。

現実の上書き保存に抵抗するためにできること

現実が上書き保存である以上、私たちのできることは1つしかありません。

今この瞬間をしっかり味わうこと

海を見て感動したなら、カメラのレンズ越しではなく目でよく見て、心で起こっていることをじっくり感じる。

娘を愛しく感じたなら、五感を総動員してその瞬間の娘を愛で、素直に気持ちを言葉にする。

不完全な形でしか保存できない写真や文章に気を取られて、今この瞬間を逃してしまっては本末転倒です

次々と上書き保存されていく現実を、今ここで心に刻みつけることこそ、完全ではないにしても「名前を付けて保存」なのかもしれません。

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